2007年度 第1回研究交流会
テーマ :住み続けるための地域デザイン
-高齢者の住まいとサポートのこれから-
とき 2007年10月20日(土) 15:00~17:00
ところ 名城大学付属図書館視聴覚室

主催:(社)都市住宅学会中部支部
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【講師】生田京子氏(名古屋大学大学院工学研究科 助教)
講演内容の概要
在宅生活を支える地域福祉環境について、訪問サービスを取り上げて日本とデンマークを比較してみると、サービスの質に大きな差異があることがわかる。デンマークでは公的に訪問サービスの地区分けがされており、利用者宅とサービス拠点との距離が近く、どの地区においても一元的なサービスが行われている(人口50万人のコペンハーゲン市の場合、1事業所あたりのサービス圏域は約3.3km2)。地区が小さいとサポート回数も増えることになる。
これに対して、日本では訪問サービス事業が市場に委ねられているため、需要の多い都市部では多くの事業者が存在するが、逆に郊外では事業者が存在しない地域も多く存在する。日本では在宅を続けたくてもそれを支える仕組みが全ての地区で整備されていないため、やむを得ず、大規模施設等に入ることになる。そしてこの大規模施設の存在は、場合によっては地域の在宅サービスを圧迫することになる。
このような課題を解決していくためには、事業者は単種サービスだけでは赤字になるので複数種のサービスを実施する、あるいは単種サービスのみで考えるなら広域な事業体グループを形成して、黒字地域の利益を赤字地域のサービスの保障にまわす、外部サービス利用型の高齢者住宅を設置する、大規模施設を解体してサテライト型特養等の小規模な施設形態としていくことなどが考えられる。そして、比較的整えられた地域福祉環境のもとで「在宅+α」の高齢者住宅が供給されていくことが望ましい。
多くのスライドで、デンマークの高齢者住宅や、高齢者住宅居住者の地域のデイセンターとの関わりの様子なども紹介された。また、日本で最近建設された高齢者住宅やその共用スペースの事例から、設計の手法による共用スペースの質の差異が紹介された。
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