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2007年都市住宅学会業績賞授賞プロジェクト及び講評
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◆京都まちなか住宅改善の協働実践と「京都まちなかこだわり住宅」事業
金城 一守・都市居住推進研究会・(財)京都市景観・まちづくりセンター・建都住宅販売(株)・現代京都都市型住居研究会
[プロジェクト概要:PDF(1.5MB)]
長年にわたる金城一守氏、ならびに都市居住推進研究会による、建築家・研究者・建売事業者・行政と協働したコンペによるまちなか住宅事業の多様な実践は、既存住宅地におけるファジーブルなまちなか改善の先駆的モデルとして高く評価される。こうした京都でのまちなか改善の協働経験が、都市居住推進研究会と(財)京都市景観・まちづくりセンターとの連携コンペとなり、京都まちなかこだわり住宅(現代京都都市型住宅研究会設計)が選ばれた。建売事業者:建都住宅販売も加わり、ワークショップ、地元産材活用、伝統産業事業者の参画を試み、町並みにとけこむような裏の空間に留意した住宅が、現代町家の先導事例として施工された。本審査委員会は、長年にわたる京都まちなか住宅改善の協働での取り組み手法と、その協働手法を活かしたコンペにより、多様な人々の参画を得て建てられた「京都まちなかこだわわり住宅」に対して、業績賞にふさわしいものと判断した。
◆郊外大規模団地に住み続けるためのNPOと住民による住まい・生活のサポート事業
特定非営利活動法人ちば地域再生リサーチ・服部 岑生・上野 武・鈴木 雅之・髙栁 英明・吉岡 陽介・陶守奈津子
[プロジェクト概要:PDF(24.3MB)]
大学教員により組織されたNPOが主体となり、キャンパス近くの築30年以上が経過した大規模団地においてコミュニティビジネスを展開している。居住者をパート雇用し、専従スタッフ1名とともに活動拠点を中心に、ボランティアによらないビジネスベースの地域マネジメントを実践している。
街が持つ固有の課題やニーズ、提供できる地元にある資産など需要と供給の両者の洗い出しから始めており、地元に密着した地域マネジメント方法を見出しており、住民との関わり方や地元ニーズのとらえ方など都市居住が抱える課題の解決方策の一端を見出し、有益な成果を導き出している。
都市郊外部の大規模集合住宅が今後まもなく迎えるべき多くの課題を先行して受け止め、その解決を図るとともに、将来的なビジネスチャンスとしても期待でき、業績賞にふさわしい貢献を行ったものと認められる。
◆求道学舎リノベーション
近角 よう子・近角 真一・田村 誠邦
[プロジェクト概要:PDF(1.5MB)]
本プロジェクトは、1926年、武田五一設計により竣工した歴史的価値を有するRC造の寄宿舎を保存・再生したものである。その実現のために採用された①建築物への適用例のない躯体構造の長命化技術(アルカリ性回復溶液の浸透及び吹付コンクリート+ポリマーセメント)、②建築物の存続に共鳴したwillingness to payの高い人々が事業参画したコーポラティブ方式、③末期に建物が荒廃するリスクを回避した定期借地契約の工夫などは、いずれも斬新な提案で、他に応用・適用可能性が高い技術・事業手法である。膨大な蓄積に達した日本のRC造集合住宅の不良資産化防止という問題に対しても、きわめて貴重な示唆を与える。今後の学術研究の進化に対する寄与は多大で、業績賞にふさわしいものと評価される。
2007年都市住宅学会業績賞審査員
上原 由起夫 (成蹊大学大学院大学教授)
宇杉 和夫 (日本大学理工学部建築学科教授)
岡 絵理子 (関西大学工学部建築学科准教授)
齋藤 広子 (明海大学不動産学部不動産学科教授)
原田 博夫 (専修大学経済学部教授)
(敬称略)
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◆京都まちなか住宅改善の協働実践と「京都まちなかこだわり住宅」事業
金城 一守・都市居住推進研究会・(財)京都市景観・まちづくりセンター・建都住宅販売(株)・現代京都都市型住居研究会
[プロジェクト概要:PDF(1.5MB)]
長年にわたる金城一守氏、ならびに都市居住推進研究会による、建築家・研究者・建売事業者・行政と協働したコンペによるまちなか住宅事業の多様な実践は、既存住宅地におけるファジーブルなまちなか改善の先駆的モデルとして高く評価される。こうした京都でのまちなか改善の協働経験が、都市居住推進研究会と(財)京都市景観・まちづくりセンターとの連携コンペとなり、京都まちなかこだわり住宅(現代京都都市型住宅研究会設計)が選ばれた。建売事業者:建都住宅販売も加わり、ワークショップ、地元産材活用、伝統産業事業者の参画を試み、町並みにとけこむような裏の空間に留意した住宅が、現代町家の先導事例として施工された。本審査委員会は、長年にわたる京都まちなか住宅改善の協働での取り組み手法と、その協働手法を活かしたコンペにより、多様な人々の参画を得て建てられた「京都まちなかこだわわり住宅」に対して、業績賞にふさわしいものと判断した。
◆郊外大規模団地に住み続けるためのNPOと住民による住まい・生活のサポート事業
特定非営利活動法人ちば地域再生リサーチ・服部 岑生・上野 武・鈴木 雅之・髙栁 英明・吉岡 陽介・陶守奈津子
[プロジェクト概要:PDF(24.3MB)]
大学教員により組織されたNPOが主体となり、キャンパス近くの築30年以上が経過した大規模団地においてコミュニティビジネスを展開している。居住者をパート雇用し、専従スタッフ1名とともに活動拠点を中心に、ボランティアによらないビジネスベースの地域マネジメントを実践している。
街が持つ固有の課題やニーズ、提供できる地元にある資産など需要と供給の両者の洗い出しから始めており、地元に密着した地域マネジメント方法を見出しており、住民との関わり方や地元ニーズのとらえ方など都市居住が抱える課題の解決方策の一端を見出し、有益な成果を導き出している。
都市郊外部の大規模集合住宅が今後まもなく迎えるべき多くの課題を先行して受け止め、その解決を図るとともに、将来的なビジネスチャンスとしても期待でき、業績賞にふさわしい貢献を行ったものと認められる。
◆求道学舎リノベーション
近角 よう子・近角 真一・田村 誠邦
[プロジェクト概要:PDF(1.5MB)]
本プロジェクトは、1926年、武田五一設計により竣工した歴史的価値を有するRC造の寄宿舎を保存・再生したものである。その実現のために採用された①建築物への適用例のない躯体構造の長命化技術(アルカリ性回復溶液の浸透及び吹付コンクリート+ポリマーセメント)、②建築物の存続に共鳴したwillingness to payの高い人々が事業参画したコーポラティブ方式、③末期に建物が荒廃するリスクを回避した定期借地契約の工夫などは、いずれも斬新な提案で、他に応用・適用可能性が高い技術・事業手法である。膨大な蓄積に達した日本のRC造集合住宅の不良資産化防止という問題に対しても、きわめて貴重な示唆を与える。今後の学術研究の進化に対する寄与は多大で、業績賞にふさわしいものと評価される。
2007年都市住宅学会業績賞審査員
上原 由起夫 (成蹊大学大学院大学教授)
宇杉 和夫 (日本大学理工学部建築学科教授)
岡 絵理子 (関西大学工学部建築学科准教授)
齋藤 広子 (明海大学不動産学部不動産学科教授)
原田 博夫 (専修大学経済学部教授)
(敬称略)