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2006年都市住宅学会業績賞授賞プロジェクト及び講評
◆芦屋市若宮地区震災復興住環境整備事業に関する取り組みとその成果
(旧若宮地区まちづくり協議会)
[プロジェクト概要:PDF(8.3MB)]
後藤 祐介・江川 直樹
震災復興事業において、地区改良事業、公営住宅といった従来の制度を活用しつつ、スクラップアンドビルドではないあり方を、住民・行政・まちづくりや建築の専門家がコミュニケーションをとりつつ展開している。地域の元の記憶・景観を最大限に活かしたまま、緑化空間をとり修復型減災まちづくりを完成させている点で、今後の都市住宅学に対して先導的業績といえる。
◆宇部市中心市街地街なか再生事業
[プロジェクト概要:PDF(1.2MB)]
宇部市・藤本 昌也
本事業は、衰退の進む宇部市中心市街地活性化の取組みの中で、行政・住民・専門家の連携により、約1.2haの地区を事業化し、基盤整備と上物整備を連動した街づくり事例であり、定住人口回復と既存商店街の再編を複合的に行い、これからの地方都市中心市街地整備の一つの姿である生活都市としての再生を、計画論・空間論・事業論の3側面から図り、また地元主導の「街づくり協定」による協調的な景観形成を行い、魅力的な街なみを実現している。これらの試みは、本学会の業績賞に相応しいものといえる。
◆末永く安心して暮らせる住まいづくりへの先駆的市民サポート活動展開
―登録住宅制度の普及活動と住宅の長寿命化支援システムの実践―
[プロジェクト概要:PDF(314KB)]
NPO法人 住宅長期保証支援センター
本活動は、住宅性能表示が狙うべき性能確保、長期耐久性、中古市場の活性化などを、民間NPOの社会的業務として目指す、優れて先駆的なものである。実態の定かでない住宅履歴情報を系統的に整備するために、性能表示を受けた住宅の登録住宅制度を構築して住宅の診断・メンテナンスに光を当て、住宅メンテナンス診断士の資格の創出、講習会の開催、資料の作成など、5年間に亘って着実な努力を重ねてきた。その実践的ノウハウは極めて独創的であり、今後住宅関連の新しい事業、新しい市場の創出に寄与し、安心安全な住まいの環境形成に貢献する期待も含めて、高く評価された。
◆「地域コミュニティ再生型コーポラティブ住宅」の実践と事業方式の普及をめざした活動
[プロジェクト概要:PDF(270KB)]
特定非営利活動法人 都市住宅とまちづくり研究会
「地域コミュニティ再生型コーポラティブ住宅」の供給は、単に都心部における定住人口の増加に寄与するのみならず、新たな居住者が積極的に地域活動に参加する仕組みを提供し、地域活動の担い手を育成するものであり、都心部や地方都市の中心市街地における空洞化問題に対応して、快適な都市居住の実現と地域コミュニティの再生による都市機能の 維持・増進に大きく貢献するものである。また、これまでの事業実績を指南書としてまとめ、広く事業方式の普及に努めており、今後の更なる事業展開が期待できる。
◆特定非営利法人による
「ホームレス」の人々への一連のサポーティブハウスの提供と地域再生活動
[プロジェクト概要:PDF(3.2MB/A1サイズ)]
山谷ふるさとまちづくりの会・NPO自立支援センターふるさとの会
自立支援センターふるさとの会及び山谷ふるさとまちづくりの会の活動は、福祉、建築両分野の密接な連携がホームレス問題などの解決に良好なパフォーマンスを示すこと、ホームレス等の社会復帰には、基礎的な社会生活を送る訓練などが不可欠であり、コモンスペースを重視した空間を低コストで提供することで、ビジネスとしても一定のフィージビリティがあること、など都市住宅政策が今後参考にすべき一定の方向を呈示した、業績賞にふさわしい貢献を行ったものと認められる。
◆大阪市立住まいのミュージアム(愛称:大阪くらしの今昔館)の開設と活動
[プロジェクト概要:PDF(372KB)]
谷 直樹・北山 啓三
「住まいのミュージアム」は、大阪市住宅局が設立した、「住まい」をテーマにする日本初の公立博物館である。特に江戸時代の町家・まち並みの実物大での再現は、住居・建築学研究者が膨大な時間をかけて資料収集し、細部にわたる復元の考証を行い、歴史・民族・美術等専門家の監修を受けたもので、それ自体が貴重な学術研究成果である。
展示品の企画立案と建物設計の同時進行、学芸員が企画段階から参加した常設展示重視の姿勢、「触って、味わい、体験できる」展示、運営へのボランティアの参画など、博物館の運営に関しても、新たなビジネスモデルを提案している。
住まいの歴史や居住文化に関する情報発信がなされ、市民が楽しみながらこれを吸収する。それが住まいの選択やまちづくりに反映されていけば、都市居住の改善にも資することとなる。独創的な、卓越したプロジェクトであり、都市住宅学会賞・業績賞に相応しい。
◆芦屋市若宮地区震災復興住環境整備事業に関する取り組みとその成果
(旧若宮地区まちづくり協議会)
[プロジェクト概要:PDF(8.3MB)]
後藤 祐介・江川 直樹
震災復興事業において、地区改良事業、公営住宅といった従来の制度を活用しつつ、スクラップアンドビルドではないあり方を、住民・行政・まちづくりや建築の専門家がコミュニケーションをとりつつ展開している。地域の元の記憶・景観を最大限に活かしたまま、緑化空間をとり修復型減災まちづくりを完成させている点で、今後の都市住宅学に対して先導的業績といえる。
◆宇部市中心市街地街なか再生事業
[プロジェクト概要:PDF(1.2MB)]
宇部市・藤本 昌也
本事業は、衰退の進む宇部市中心市街地活性化の取組みの中で、行政・住民・専門家の連携により、約1.2haの地区を事業化し、基盤整備と上物整備を連動した街づくり事例であり、定住人口回復と既存商店街の再編を複合的に行い、これからの地方都市中心市街地整備の一つの姿である生活都市としての再生を、計画論・空間論・事業論の3側面から図り、また地元主導の「街づくり協定」による協調的な景観形成を行い、魅力的な街なみを実現している。これらの試みは、本学会の業績賞に相応しいものといえる。
◆末永く安心して暮らせる住まいづくりへの先駆的市民サポート活動展開
―登録住宅制度の普及活動と住宅の長寿命化支援システムの実践―
[プロジェクト概要:PDF(314KB)]
NPO法人 住宅長期保証支援センター
本活動は、住宅性能表示が狙うべき性能確保、長期耐久性、中古市場の活性化などを、民間NPOの社会的業務として目指す、優れて先駆的なものである。実態の定かでない住宅履歴情報を系統的に整備するために、性能表示を受けた住宅の登録住宅制度を構築して住宅の診断・メンテナンスに光を当て、住宅メンテナンス診断士の資格の創出、講習会の開催、資料の作成など、5年間に亘って着実な努力を重ねてきた。その実践的ノウハウは極めて独創的であり、今後住宅関連の新しい事業、新しい市場の創出に寄与し、安心安全な住まいの環境形成に貢献する期待も含めて、高く評価された。
◆「地域コミュニティ再生型コーポラティブ住宅」の実践と事業方式の普及をめざした活動
[プロジェクト概要:PDF(270KB)]
特定非営利活動法人 都市住宅とまちづくり研究会
「地域コミュニティ再生型コーポラティブ住宅」の供給は、単に都心部における定住人口の増加に寄与するのみならず、新たな居住者が積極的に地域活動に参加する仕組みを提供し、地域活動の担い手を育成するものであり、都心部や地方都市の中心市街地における空洞化問題に対応して、快適な都市居住の実現と地域コミュニティの再生による都市機能の 維持・増進に大きく貢献するものである。また、これまでの事業実績を指南書としてまとめ、広く事業方式の普及に努めており、今後の更なる事業展開が期待できる。
◆特定非営利法人による
「ホームレス」の人々への一連のサポーティブハウスの提供と地域再生活動
[プロジェクト概要:PDF(3.2MB/A1サイズ)]
山谷ふるさとまちづくりの会・NPO自立支援センターふるさとの会
自立支援センターふるさとの会及び山谷ふるさとまちづくりの会の活動は、福祉、建築両分野の密接な連携がホームレス問題などの解決に良好なパフォーマンスを示すこと、ホームレス等の社会復帰には、基礎的な社会生活を送る訓練などが不可欠であり、コモンスペースを重視した空間を低コストで提供することで、ビジネスとしても一定のフィージビリティがあること、など都市住宅政策が今後参考にすべき一定の方向を呈示した、業績賞にふさわしい貢献を行ったものと認められる。
◆大阪市立住まいのミュージアム(愛称:大阪くらしの今昔館)の開設と活動
[プロジェクト概要:PDF(372KB)]
谷 直樹・北山 啓三
「住まいのミュージアム」は、大阪市住宅局が設立した、「住まい」をテーマにする日本初の公立博物館である。特に江戸時代の町家・まち並みの実物大での再現は、住居・建築学研究者が膨大な時間をかけて資料収集し、細部にわたる復元の考証を行い、歴史・民族・美術等専門家の監修を受けたもので、それ自体が貴重な学術研究成果である。
展示品の企画立案と建物設計の同時進行、学芸員が企画段階から参加した常設展示重視の姿勢、「触って、味わい、体験できる」展示、運営へのボランティアの参画など、博物館の運営に関しても、新たなビジネスモデルを提案している。
住まいの歴史や居住文化に関する情報発信がなされ、市民が楽しみながらこれを吸収する。それが住まいの選択やまちづくりに反映されていけば、都市居住の改善にも資することとなる。独創的な、卓越したプロジェクトであり、都市住宅学会賞・業績賞に相応しい。
2006年都市住宅学会業績賞審査員
髙田 光雄 (京都大学大学院工学研究科教授)
大竹 文雄 (大阪大学社会経済研究所教授)
横堀 肇 (広島大学大学院工学研究科教授)
青野 勝広 (松山大学経済学部教授)
三井所清典 (株式会社アルセッド建築研究所代表取締役)
倉橋 透 (獨協大学経済学部教授)
斎藤 広子 (明海大学不動産学部不動産学科教授)
内田 雄造 (東海大学工学部教授)
大竹 亮 (独立行政法人都市再生機構業務第2部次長)
瀬渡 章子 (奈良女子大学生活環境学部教授)
荏原 明則 (関西学院大学法学部教授)
島田 明夫 (国土交通省四国地方整備局次長兼総務部長)
小谷部育子 (日本女子大学家政学部住居学科教授)
中西 正彦 (東京工業大学大学院社会理工学研究科助手)
山鹿 久木 (筑波大学大学院システム情報工学研究科講師)
(敬称略)
髙田 光雄 (京都大学大学院工学研究科教授)
大竹 文雄 (大阪大学社会経済研究所教授)
横堀 肇 (広島大学大学院工学研究科教授)
青野 勝広 (松山大学経済学部教授)
三井所清典 (株式会社アルセッド建築研究所代表取締役)
倉橋 透 (獨協大学経済学部教授)
斎藤 広子 (明海大学不動産学部不動産学科教授)
内田 雄造 (東海大学工学部教授)
大竹 亮 (独立行政法人都市再生機構業務第2部次長)
瀬渡 章子 (奈良女子大学生活環境学部教授)
荏原 明則 (関西学院大学法学部教授)
島田 明夫 (国土交通省四国地方整備局次長兼総務部長)
小谷部育子 (日本女子大学家政学部住居学科教授)
中西 正彦 (東京工業大学大学院社会理工学研究科助手)
山鹿 久木 (筑波大学大学院システム情報工学研究科講師)
(敬称略)